親を介護施設に入れるのは悪いこと？」今の時代の介護のかたちを考える

はじめに

「親を介護施設に入れるなんて、冷たいと思われないかな？」
そんな不安を感じたことがある人は少なくありません。
昔は「親の介護は家族がするのが当たり前」という考え方が主流でした。ですが、今の時代、介護は家族だけで抱え込むものではありません。

かつては「親を施設に入れる＝自分が楽をしたい」というイメージが根強くありました。
地域の人や親戚から「まだ自宅で見られるでしょ」と言われることもあり、施設入所に踏み切れない方も多かったのです。

お母さんを施設に入れたって聞いたけど、大丈夫？

うん、最初は罪悪感があったけど、今は安心してるよ。専門のスタッフにお任せできるから。

そうなんだ。やっぱり専門家に任せるのが一番かもね。

このように、介護施設を「仕方なく選ぶ場所」ではなく、家族と本人が安心して暮らすための選択肢として考える人が増えています。

現代では、介護の専門職である介護士・看護師・ケアマネジャーがチームで支える体制が整っています。
在宅介護では難しい医療ケアや夜間対応も、施設なら安心して任せられます。

施設にお願いしてから、母も笑顔が増えたんです。

安心して暮らせる環境があると、気持ちも安定しますよ。

やっぱりプロの力って大きいですね。

家族が無理をして共倒れになるよりも、専門家に任せて、できる時に会いに行く方がずっと良い。
それが、いまの「新しい介護の形」です。

「親戚の意見を聞かないと…」と考える人も多いですが、最も大事なのは本人と家族の安心です。
施設入所は「楽をする」ためではなく、「安全で穏やかに過ごす」ための選択だということを、丁寧に伝えましょう。

もう施設に入れるの？

ええ。母の体調を考えて、専門のケアが必要だと判断しました。

そうか、本人のためなんだね。

このように、「介護＝愛情の形」として前向きに話すことで、理解を得やすくなります。

介護施設に親を預けることは、決して冷たい行為ではありません。
むしろ、親の尊厳と安心を守るための優しい選択です。

「自分がすべて背負わなければ」と頑張りすぎず、
「プロと一緒に支えていく」——これがこれからの時代の介護です。

親の笑顔を守るためにも、まずは近くの介護施設やケアマネジャーに相談してみましょう。
その一歩が、あなたと家族を楽にし、穏やかな介護生活へとつながります