
親の介護が心配。でも介護施設って、どんな人が入れるの?
介護の相談を受けると、必ず出てくるのがこの質問です。
実は、介護施設と一口に言っても「介護保険の認定がないと入れない施設」や「要介護1以上でないと利用できない施設」、そして「介護保険がなくても入居できる施設」があります。ここを理解していないと、せっかく施設を探しても「条件が合わずに断られた」というケースもあるんです。
今回はケアマネジャーの立場から、介護施設の条件をわかりやすく整理してご紹介します。
介護保険で要介護1以上が必要な施設
代表的なのが 特別養護老人ホーム(特養) です。
特養は「常に介護が必要で、自宅での生活が難しい方」が対象となり、基本的に 要介護3以上 の認定が必須です。

母が要支援2なんですが、特養に申し込めますか?

要介護3以上でないと入所申込はできません。ただし、特例的に認知症や家族の状況で受け入れられるケースもありますよ。
そのほか、 介護老人保健施設(老健) や 介護医療院 も、要介護1以上でなければ利用できません。リハビリや医療ケアを受けながら生活するため、ある程度の介護度が求められるんです。
介護保険の認定がないと入れない施設
介護保険サービスを前提とした施設は、基本的に「介護認定を持っていること」が条件です。
たとえば、
- グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
→ 認知症と診断され、かつ要支援2以上が必要 - 小規模多機能型居宅介護の併設施設
→ 介護認定を持っている人だけが利用可能
このように、介護保険サービスを柱に運営されている施設は、認定がないとそもそも契約ができません。
介護保険がなくても入居できる施設
一方で、介護保険がなくても利用できる施設もあります。代表的なのは 有料老人ホーム や サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) です。
これらは「高齢者向けの住まい」であり、介護度は問われません。要介護認定がなくても、入居後に必要に応じて外部の介護サービスを契約する仕組みです。

父はまだ元気なんですが、一人暮らしが心配で……。施設に入れますか?

はい。有料老人ホームやサ高住・軽費老人ホーム・ケアハウスなら介護保険がなくても入居可能です。元気なうちから安心できる住まいとして選ばれる方も多いですよ。
このタイプは比較的自由度が高く、生活スタイルに合わせやすいのが特徴です。ただし、介護度が上がると追加でサービス費用がかかるため、事前に料金システムを確認することが大切です。
まとめ:介護施設を選ぶ前に確認すべきこと
介護施設の条件を整理すると、次のようになります。
- 要介護1以上で入れる施設:特養、老健、介護医療院
- 介護保険がないと入れない施設:グループホーム、小規模多機能併設施設など
- 介護保険がなくても入れる施設:有料老人ホーム、サ高住、軽費老人ホーム、ケアハウス
施設探しで失敗しないためには、まず 介護保険の申請をして、認定を受けること が第一歩です。その上で、本人の状態や家族の希望に合った施設を選んでいきましょう。

やっぱり介護認定を受けてから動かないといけないんですね。

そうですね。認定の有無で入れる施設が変わりますから。まずは市町村に申請してみましょう。
施設選びは「情報の整理」から始まります。早めに調べて動くことで、安心して次のステップにつなげることができますよ。
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